駐在員の一時帰国において、このような例外対応の相談を受けたことはありませんか。
コロナ禍で一時帰国ができないから、その権利を「手当」として支給してほしい
日本ではなく、駐在員や配偶者の母国である第三国への一時帰国をしたい
日本には出張で頻繁に帰っているから、他の任国外にリフレッシュ休暇を取得したい
家族呼び寄せ制度で、規程上「家族」と認められていない婚約者を呼び寄せたい
日本に残している家庭の事情で、年1回ではなく、何度か帰国をしたい
日系航空会社を原則利用だと定めているが、総額が変わらないから安価な外資系会社を利用し、ビジネスクラスにアップグレードをしたい
これらは弊社クライアント企業から寄せられた声です。多様性への対応に敏感になっている企業から、「他社ではどうしてる?」と弊社に相談が相次いでいます。
一時帰国という単純な行為の中に、実に多様な駐在員ニーズが隠れている現状
このような相談内容は一例にすぎません。決して、駐在員が「わがまま」になったからこのような多種多様な声が上がるのではありません。駐在員の属性・価値観が多様化しているから、駐在員が求めているものも実に多様化しているのが実態です。
AIRINCが昨年春にアメリカで実施した調査結果では、興味深い結果が出ました。
「一時帰国」の休暇はどうに使いたい?という問いかけに対し、「本国への一時帰国」という一般的な一時帰国を希望する割合はたったの7人に1人程度でした。
(当ブログ「駐在員が本当に期待しているサポートとは?」から引用)
つまり駐在員の大半は、従来の一時帰国制度には当てはまらない形での権利行使を希望しているのです。画一的な規程では駐在員の満足感を得られず、駐在員の士気が下がり、ついては会社の繁栄や利益を損なう影響も出てきます。それを防ぐためにも海外人事ができることとして、多様化する駐在員ニーズに応えていくことが求められる時代となりました。そこで昨今注目を浴びているのが、駐在員個人の裁量で用途を決定することができる「一時帰国の手当化」です。
例外対応に追われる海外人事。業務効率化を図るために、従来の画一的な一時帰国制度に柔軟性を取り入れようとする傾向へ
「制度をこのように使っていいですか?」という駐在員からのリクエストに応えるため、イレギュラー対応に追われる海外人事。規程に柔軟性を含め駐在員自身の裁量を与えることで、駐在員満足度を高め、かつ、海外人事でのイレギュラー対応にかかる工数を減らそうとする取り組みをする企業が増えてきています。
2021年8月に弊社が実施したサーベイでは、3社に1社の割合で、今後「一時帰国」などの運用方法と見直したいと回答がありました。
また、2022年に実施したサーベイでも一時帰国を含む規程の変更に前向きな企業は、上記調査とほぼ同数の35%。しかし実際に規程の見直しを行った企業はそのうちの半数です。
手当化の実現可能を阻害する2つの障壁
導入したい企業は多いにも関わらず、手当化を制度としてすでに導入している日本企業はまだ多くないのが現状です。弊社がクライアント企業からの相談を受けている中で、思うように手当化制度の導入が進まない理由として多くの企業がぶち当たる「2つの壁」があるように感じます。手当化を検討したことのある貴社でも、このような「困った」に当てはまることはありませんか。
手当化と言っても、妥当な価格帯がわからない。
ハイピークとオフピークでは航空運賃の価格差がありすぎて、基準額を定められない。
航空会社の違い、経路の違いによっても価格差があるようだ。
過去の航空券代は利用実績で調べられるが、未来の航空運賃の相場は予想できない。
現金支給で渡してしまうと、本当に一時帰国をしているのかがわからず管理がしづらい。
現金一括支給で渡し切りにするのではなく、会社側が使途を把握できるようにしたい。
手当額が妥当なのかを判断(見直し)をするために、利用実績は把握しておきたい。
国内従業員の福利厚生制度同様、カフェテリアプランのようなポイント制にできればいいのだけど、どのように管理ができるだろうか。
このようなお悩みの声はいろいろとありますが、大きく分けると、2つの点に集約できるようにお見受けします。この2つの壁にぶち当たって、手当化に踏み切れないとよく聞きます。
手当額をいくらにしたらいいの?
制度の利用実績がブラックボックス化してしまう?
「簡単な解決策」を活用して、壁を乗り越えた企業の事例を紹介します
弊社のクライアント企業の中には、すでにこれらの障壁を乗り越えて、一時帰国の手当化を導入している企業があります。そこで、多くの企業が同じ課題を抱え、同じ壁にぶつかってしまっている現状から打破するお手伝いをしたく、その解決策を見出した他社事例をもとに、手当化がもたらす利点と運用方法の解決策をご紹介するセミナーを開催します。
駐在員満足度の向上と海外人事の業務効率化を同時に実現させ、社会的使命であるDE&I戦略をも成功させることができるこの「一時帰国の手当化」について、情報収集をするチャンスです。
新しい海外人事の在り方・規程の持ち方を目指す皆様に何かしらのヒントを得て頂ける機会になればと存じます。ぜひご参加ください。
一時帰国の手当化に関するオンラインセミナー
2023年5月16日(火)14:00~ 参加無料
当記事へのご質問は【こちら】からお問合せください
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