海外人事は、赴任準備中の従業員からさまざまな質問を受けることがあるでしょう。中には、初めての赴任で分からないことだらけの人もいるでしょうし、前例のない家族構成で判断に頭を悩ませることもあるでしょう。
その中には「ペットも連れて行きたいのだけど・・・」そんな相談が今、増えています。
「ペットが家族の一員」というのは、全世界共通の考え方になりました。海外赴任の辞令を受けた時に真っ先に、「ペットは連れて行けるのだろうか」と心配をする人も少なくないようです。
「ペットを飼える物件に住みたいから、前任者が住んでいる家では都合が悪い」
「ペットの輸送の関係で、この飛行機で行きたい、このルートで行きたい、この日に行きたい」
ペット中心で物事を決めざるを得ないことも出てくるかもしれません。そのような場合、いったい会社として、どこまで面倒を見るべきか、どの程度「ダメ」といっていいものなのか、、、「家族の在り方」が多様化するにつれ、海外人事の悩みも多様化しているのではないでしょうか。
ペットフレンドリーな傾向に
AIRINCが実施したベンチマークサーベイでは、約40%の企業がペット輸送に好意的であることがわかりました。
27%:ペット輸送のコストを会社が負担
10%:場合によっては会社が負担
しかし、実態としては、ほとんどの企業では、ペットの輸送に関しては規程に明記記されていません。個別の相談事項として、対応をしているに過ぎません。
Core & Flex という新しい対応策
ペットという個人的なものに対して、どの程度まで会社の規程で定めておけばよいのでしょうか。全駐在員のペットニーズに応えられる内容を規程として明文化することはおそらく不可能です。規程外のケースが発生するたびに、内容を踏まえて都度会社判断を行うというイレギュラー対応を繰り返していることが実態でしょう。海外人事部門が、多様化する駐在員のニーズに、一つずつ対応するのはあまりにも大変です。そこで、このように駐在員の声を一つ一つ聞いて、会社が判断(承認)をする、という今まで当たり前だった規程のあり方が見直されてる時代に入りました。
実は最近、Core & Flex(下記注釈)の導入を検討する企業が増えてきています。赴任時に会社がサポートする内容について、駐在員本人に一部自由裁量権を与えて(Flex)、駐在員が自分にとって欲しいサービス・欲しい予算をカスタマイズできるものです。
例えばペットに関して、このようなことができるようになります
付与された自由裁量権であるFlex予算の中で、駐在員本人がフライトを自由に選べるため、ペットを移動させるために都合の良い航空会社・経路を選ぶことができます。今までは「最も経済的な経路」と規程されているため、ペットを同時搭乗させることができないフライトになる可能性もありました。それが自己都合に合わせて変更できるようになるのです。
定められた条件の中で、自由に住宅を選ぶことができる。前任者からの引き継ぎ物件だった場合、ペット同居が出来ない・ペットにとって環境がよくない、などの不都合があった。
注釈) Core & Flexとは 弊社ではこのCore & Flex(通称:コアフレックス)を「海外人事を例外対応の煩雑さから解放すると同時に、駐在員満足度向上も実現できる費用対効果の高いリロケーション制度」と定義つけています。
赴任時や駐在期間における福利厚生に関する駐在員の多様なニーズに対応するため、欧米で急速に普及し始めている制度です。全員に漏れなく付与されるCore(コア)の部分(例えばVISAの取得)と、駐在員の自己裁量で予算の使い方を決定できるFlex(フレックス)の部分に分けた制度です。
例えば、現行規程では語学堪能な駐在員にも「○時間の語学研修」が付与されています。これをFlexという予算の与え方をすることで、受講の必要がない駐在員はその予算をより必要性を感じるサービス(例えばマネジメント研修)に回すことで柔軟性を得られます。この柔軟性によって駐在員満足度の向上、そして何より、人事側の「イレギュラーなニーズに一つずつ社内対応する」というお手間を軽減させることができます。
Core & Flexに関しては こちら で詳しくご紹介しています
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元記事(AIRINC社の情報サイト AIRSHARE)※英語表記
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